真珠を評価する基準には、大きく分けて @巻きA照り(光沢)B形C大きさD色Eキズの6つがあります。まず、@の巻きの厚さが非常に大切な要素で、薄巻きのものには真珠本来の美しさがありません。巻きとは真珠の芯となる核を取り巻く真珠層の巻きつきのことですが、あまりに巻きの薄いものは表面の真珠層を通して中の芯(核)の白さが透けて見えるほどです。そして、これは残念なことですが、このような真珠も市場に流通しているのが現実です。
次にA照りですが、これも真珠にとって重要な要素の一つです。いくら大きな真珠でも、また巻きの厚いものでも照り〈光沢)の悪いものは評価が下がります。照りの良い真珠には自分の顔が映ります。その中でもより輪郭のはっきり映るものほど照りが良いと言われています
Bの形についてはもちろん真円に近いものほど評価が高いわけですが、それ以外のものがダメなのかと言えばそんなことはなく、でこぼこしたバロックと呼ばれるものや楕円形のものもまた、主にカジュアルな用途に用いられ多くの人に楽しまれています。
Cの大きさに関しては先にも少し触れましたように、ただ大きければ良いというものではなく、他の要素が整った上で大きければ言うことありません。ただ、現在日本産のあこや真珠では特別大きな物は少なく、他の全ての要素を満たした上での最大の大きさとなると8〜10ミリあたりが現実的です。
Dの色については我が国ではピンク系の色が好まれ、また評価も高いです。続いてホワイト系やシルバー系に人気が集まります。しかし、真珠もフォーマルに固執せず、カジュアルに使って楽しんで頂きたいと思います。ゴールド系やグリーン系、ブルー系の真珠もコレクションに加えて楽しんでみてはいかがでしょうか?
最後にEキズですが、真珠は生きている貝が生み出すものですから厳密に言えば無傷のものはめったに存在しません。ですからキズの目立たなさで評価が変わってきます。通常は30cm離れたところから見て目立たなければ良いと思います。真珠の評価はあまりキズだけにこだわりすぎず(もちろん大切なことですが)、キズも含めた上記6項目のトータルバランスで選ばれると良いでしょう。
上記の6項目が良い真珠を見分けるコツですが、真珠は午前中の北側からの光線のもとで一番自然な輝きを発します。北側光線の条件を満たす店舗は少ないと思いますが、要は直射日光の下で見ないことです。スポットライトも同じです。スポットライトが照射されているものは通常よりも照りが良く見えてしまうので、ライトから外したところで見せてもらうことが望ましいでしょう。
それと、真珠に赤みが映りこむと巻きが厚く見えるので、できれば赤系の服は着ていかない方が良いでしょう。同様に午後の日光下でも赤みが増して見えるため、午前中のお買い物が望ましいと思います。
以上の点に留意すれば、きっと良い真珠を見分けることができるはずです。